あれは大学に入って半年ほどたった時のことでした。
当時、あこがれのキャンパスライフに浮かれ過ぎていた私は、とにかく自由に好きな事をやろうとひたすら意気込んでいました。
通えなくもないほどの距離なのに親元から離れたくて、無理して一人暮らしを始めていたのです。
それまで炊事洗濯その他ほとんどをやってこなかった私が順調に行くはずもなく、アルバイトはしていましたが生活費が底をつき、ついには親から預かった授業料に手を出してしまったのです。
このままでは、いずれ授業料を払っていないことが親にばれる、最悪の場合退学になってしまう、と悩んだ結果、私は足りない分の授業料を何とかするため、どこかでお金を借りることを思いつきました。
とにかく今の自分一人だけで借りられるところ、と探してみたところ、いくつか候補があったのですが、最終的には武富士に借りることにしました。
年齢が達していることと定期的にアルバイトをしていること、これで借り入れ出来たからです。
ドキドキしながら店舗に赴きましたが、店員さんは丁寧に相談に乗ってくれて、金額や返済シミュレーションなど細かく提示してくれました。
最終的に私が借り入れしたのは、授業料を補てんできる15万円、月々8千円の返済でした。
その時は罪悪感や心苦しい気持ちなどは何もなく、むしろ月々の返済額の低さに楽観視したほどです。
とにかく親にばれないように、大学に続けて通えるように、とそれだけを考えていました。
それからは、月々の返済は決して忘れないようにしようと、アルバイトのシフトを増やし、生活費も抑える工夫をしていました。
けれど、一度気軽に借りられたことが自分の堕落の始まりでした。
少しお金が足りなくなると、自分の貯金があるかのように気軽にちょこちょこ借り入れしてしまって、なかなか残金が減らなくなってしまったのです。
月々の返済金額が低く、また一度カードを作るとコンビニATMでも簡単に借り入れできたことが原因だと思います。
とにかく無事に滞りなく大学に通えて卒業できたことは良かったですが、返済は卒業後も続き、このままずっと返済が続くのではないかとだんだん怖くなりました。
結局は金利の見直しや改定で返済が必要なくなり、むしろ過払いになっていたのですが・・・。
今になっては武富士もなくなり、30万近い過払い金を残したままどうにもなくならなくなってしまいましたが、安易な気持ちでお金を借りたことへの高い授業料だったとおもっています。
もしどうしてもお金を借りる必要が出てしまった場合、とにかく最初に借り入れした金額以降は絶対に追加で借り入れしないこと、この気持ちだけは強く持たないといけないと思います。
先が見えない返済は本当に怖いです。
何年何月に返済完了、とはっきりとしたビジョンを持って毎月返済していけばいいのではないかと思います。